fetish hole

18禁の内容です。フェチズムやSMに関するものと心の内面にフォーカスした内容が多いです。

もうすぐクリスマス

もうすぐクリスマス

楽しい、楽しい、クリスマス

ケーキを買って

プレゼントを用意して

イルミネーションが綺麗な場所へ行ったり

ロケーションが最高の場所でご飯を食べたりね

家族でホームパーティーもイイよね

 

僕は何をしよ

これから何をしよう?

 

色々なモノを用意してしまった

僕の欲望は無限大

 

視界を遮り

手足の動きも不自由に

僕の前で指が自由に使えるだなんて

誰がそんな事を言ったの?

ドラえもんのようなラバーのミトンが

君には良くお似合い

 

「好き」「愛してる」

そんなテンプレの言葉は実にくだらない

呻き声を聴かせてよ

 

真っ黒に仕上げたら

クリスマスだからお尻に鈴でも付けようか

  

僕は鶏肉より

君を食べたいよ

本当は血だって飲み干したいくらいに

 

くだらない会議

くだらない噂話

くだらない世の中

 

僕が君のことを狙っているだなんて

誰も知らないだろうけど

僕の変身願望⑩〜タイツの中の秘め事〜

タイツを着たアイさんは本当にお人形さんのようだった。

欲望に素直で、年の差を感じない。

難しいことを言わない、刺激に素直に反応し、僕の全てを愛情と受け入れてくれる、無垢な幼児のようでもあった。

もちろん、僕にはそんな趣味はないのだけれど。

どちらが器なのか、黒い蜜なのか、よく分からなくなっていた。

 

僕のペニスは焼肉の時から硬くなったままだ。

アイさんは僕の僕の右足に乗っかってくる。

僕の右足は、唾液と愛液でしっとり濡れたアイさんのアソコの温度をタイツ越しに感じる。

ゆっくり彼女の指先が、僕のお腹を撫でる。

ーゾクゾクする…‼

全身の神経が僕のお腹に集中する。

アイさんの指先は、僕のお腹周りをゆっくりと内回りに、外回りにとゆっくりと弧を描く。

「ンアァッ!」

僕は溜まらず声を漏らす。

アイさんは指の動きに加え、舌をお臍から鼠径部に渡り、ゆっくりと滑らせていく。

タイツ越しの舌が何とも言えない鈍い摩擦が働く。

指も舌を追いかけるように下腹部へ、ペニスへと下にゆっくり降りていく。

「はぅッ!」

「まだカズ君のおちんちんは触っていないよ・・!?」

優しい甘ったるい声で言われる。

「アイさん、気持ちいい…」

「ンフッ。いーっぱいきもちよくなってね。」

アイさんの声をした人形が僕のペニスを咥える。

「アウッ…!!」

舌で亀頭を、陰茎を舌と指先で、丁寧に触れられていく。

ゆっくり前後に、両手の指先は陰茎を撫でまわし、亀頭の部分を咥えたり、舌で形をなぞってみたり。

僕のペニスを大切に大切に、まるで僕のペニスに何かしらの儀式を施しているように見えた。

ー僕は次第に訳が分からなくなっていく…。

「アイしゃん…ぼく、おちんぽきもちいい…。」

「おちんぽきもちいいねえ。」

「うん、ぼくのおちんぽ…がまんじるがとまらないの…。」

「そうだね、がまんじるのあじがタイツからつたわってくるよ…変態がまんじるの味がする」

そういってアイさんは僕のペニスを咥えて窮屈なタイツのお口で僕のペニスでフェラをし始める。

「アイしゃん、ぼく、それすき。さいこうにきもちいいよぉ。」

小柄なアイさんが僕の両脚を開脚させ、僕はちんグリ返しの姿勢にさせられる。

間接照明に近い位置に顔がきているのが分かる。

「明かりでお顔が見えるよ。欲まみれのタイツ人間。おちんぽギンギンにして恥ずかしい恰好させられて興奮しまくっているタイツ人間のお顔…。可愛い。」

僕のペニスにアイさんの涎がしこたま垂らされる。

「アイしゃん、ぼくはずかしい、はずかしいタイツにんげん。おちんぽ、おちんぽきもちよくなりたい…!!アイしゃんにじゅぽじゅぽされたい!」

「おちんぽミルクどぴゅどぴゅ出しちゃおっか?」

「うん…ああん、ぼくのおちんぽミルク出す…。」

アイさんは僕をその姿勢にさせたまま、指先と口でペニスをいたずらに弄び、激しく手で上下する。

「ああああう!!!!」

ーぼくののうみそはかんぜんいどろどろだ…

もうこのままタイツのまま死にたい

「アイしゃん、ぼく、おちんぽみるくだす、だすよおおおおおおお」

「いっぱい出して、おちんぽミルク、ここに溜めてたんでしょ?!」

口でじゅぽじゅぽ音を立てながら、袋を指で握られる。

ーぼくもうだめ、死んでいい。

「あああ!!!出る、出ちゃうううう!!」

 

僕はそうやって、初めてタイツの中で人に見られながら果ててしまった。

僕はもうアイさんの奴隷で良いし、アイさんを僕のモノにしたいと思った。

だって堪らなく愛おしい。

 

僕の変身願望⑨〜黒い蜜の味わい〜

僕のやることに彼女は反応を示す。

僕が彼女のタイツに触れるたびに、彼女はビクビクしながら身体で反応する。

僕は何かの楽器を奏でるような気持ちになり、興奮と幸福感を抱いていた。

僕が彼女の主導権を握るようでもあり、一緒に何かのストーリーを作っているような感覚でもあった。

お姉さんの欲望を僕は受け止められる器があると確信した。

愛撫をするたびに、僕はお姉さんの黒い蜜が今にも迫りそうな感覚に陥った。

 

「お姉さん、…ねえ…、あなたはあなたの本名を教えてよ?…僕はずっと追いかけていたんだ…10年も前から…。」

僕はお姉さんを手繰り寄せ、首筋にキスをする。

「はぁぁ…わたしのなまえ!?…わたしのなまえは…アイ…。あなたのおなまえは…んふぅぅ…。おしえて…?」

あいさんは首を反らせ、キスをもっと求めてくる。

「僕の名前は、カズユキと言います。アイさん、素敵なお名前…すごく愛おしいです。」

「カズくん…嬉しい。…でもわたしはあなたよりすごく年上だし…。」

アイさんは反った首を下に戻し、俯く。

そんなアイさんのシルエットがとても愛らしく思え、胸が締め付けられた。

「アイさん、僕とあなたはもう非現実的な関係じゃないよ。お互いの名前まで知った仲ですよ。僕に委ねてください。…僕は逃げませんから…安心して…おいで…。」

アイさんの首を持ち上げ、僕は頭を撫でてキスをする。僕はアイさんをすっぽり覆う。

ーこのままひとつに交じり合って溶けてしまえばいいのに…。

 

「アイさん…僕を信じてくれる?」

「…信じていい…?」

「大丈夫…僕はあなたが10年前の苦悩も何もかも、あなたの欲望の全てを見てきた。ずっとずっと会いたかった…。」

アイさんをぎゅっと抱きしめる。

ーこのまま僕の身体の1つにならないかな…

「カズくん…わたしすごく嬉しい…でも好きになっちゃう…。全力で好きになっちゃう。独身の貴方に迷惑をかけたくないの…」

ーそんなこと知ってる。ずっとアイさんは愛し方で苦悩していた。黒い蜜を注げる器が無いことをずっと嘆いていた。アイさんにしたら、僕は経験も少ないし、所詮若僧にしか見えないんだ。

「アイさん、知ってる?僕の器は小さいのかもしれない。アイさんからみたら。知ってる?僕の器は花を生ける花瓶の形をしているんだ。途中で細くなって、また太く末広がりの。そしてね、一方向から見たら花瓶のデザインで見えないようになっていてね…でも奥行きもある花瓶なの…。意味わかる?」

「…ワカル。私の歪な愛を受け止めてくれるってことでしょ?」

「その通り…。」

ーぼく、アイさんが欲しいや…

「アイさん…、僕はアイさんの黒い蜜を吸いたい、…いい?ずっとあなたが溜めているあの黒いやつ…、ネエ、イイでしょ?僕はずっとそれを吸いたかった…。」

ー僕が犬なら今頃は尻尾をビュンビュン振っていることだろう…。

「うん、いっぱい吸って…。」

「最高だ…」

僕はアイさんのクロッチを目掛けて舌を出す。

タイツを精一杯舌で押し出して、タイツ越しのアイさんの秘めた部分を舐め回す。

舐めるとじゅわっと蜜が溢れていくのが分かる。

クリの部分を刺激すると、液が染み出してくる。

アイさんは次第にまた理性を失っていく。

アーとかイーとか。

声にならない喘ぎ声を出し、理性の城を攻め落としていく。

また城壁が崩れていく…その崩落の度に彼女の身体から黒い蜜を僕は全身に浴び、僕はアイさんの甘美な世界を漂っていた。

アイさんの世界を、僕はその黒くて、世間の人は気持ち悪がるその蜜が堪らなく好きだ。

その蜜を舐めれば舐めるほど、アイさんの沼にハマっていく感じがした。

もう戻れないだろう…危険でとっても甘い蜜。

本能的に感じて、ずっと繋がっていたこの関係、僕の本能がそうさせたものに、今更理性なんていう意味付けは不要だ。

僕の変身願望⑧〜壊れていくタイツ人形〜

僕はしばらくお姉さんの様子を眺めてた。

お姉さんは自分の身体をくねらせ、手で頭から胸、そして脚の方まで緩やかに滑らせていく。まるで僕に見せつけるように…。

間接照明で揺れるその緩やかな動きに、僕は心を奪われていた。

この人はずっとこの快楽を長年に渡り知っていて、自分の中で秘密の情事として楽しんできたんだ。…それを今僕と一緒に味わおうとしている。

間接照明に照らされるその艶めかしい妖艶な姿に、吸い込まれそうになる。

「お姉さん…写真を撮ってもいいですか…?」

「ンンン…イイヨお…ハア…」

お姉さんはもうすっかりあちらの世界へいっている。

僕の待ち望んだ、その姿!!

 

僕はスマホで何枚か写真を撮った。

その度にお姉さんは違うポーズを取ってくれた。

「あの、僕もゼンタイ着ても良いですか…!?」

「早くう、早く一緒に溶けようよお…」

僕は銃で撃ちぬかれた…。

ーあああああああ、もう僕は我慢できない!!!

 

慌ててリュックからグリーンのゼンタイを取り出し、自分のゼンタイに袖を通す。

僕の視界はやや鈍くなる。

お姉さんの物体を鮮明に捉えることは難しく、ゆらゆら揺れる影を追いかける感じだ。

視覚を補うべく、触覚と聴覚のモードが優位になっていくのが分かる。

 

ーああ、お姉さんの、ドスケベで変態のお姉さんは何処?

 早く捕まえなくちゃ。

 

影を捉え、僕と彼女は漸くタイツ同士で触れ合えた。

僕のペニスは一気に膨張する。

タイツのプニプニした身体はとても柔らかい…。

タイツ越しに僕達はキスをする。

互いに決して舌を絡め合えないのが分かっていて、精一杯タイツ越しに舌を絡め合おうとする。

タイツは次第に湿っていく。

彼女はお口をぱくぱくしているのが分かる。

ーそんなに僕が欲しいの?

人差し指をそっと彼女の口腔内へ落とし込む。

彼女は僕の腕を両腕で握りしめ、僕の指を必死で咥えて、前後に頭を動かし、吸い上げる。

僕の人差し指も次第にタイツをつたって濡れていく…。

ーああ、なんて愛おしいんだろう…

僕は濡れた指先を彼女の口からそっと抜き取り、彼女の頭を撫でた。

彼女は飼い猫のように僕にすり寄ってくる。

僕は頭から首筋、背中へ指を滑らせていく。

彼女は指先が触れるところ触れるところビクビクしていた。

 

僕は手探りで乳首までたどり着く。

タイツの指先で彼女の乳首をそっと下から上へ弾いてみる。

「アアン…」

さっきと比べものにならないほど感じている。

僕は彼女の後ろに回り、足を開かせた状態にし、僕の足と腕で彼女をロックする。

ーもうこれで彼女は僕のもの

両方の乳首をつねってグリグリすると、まるでおもちゃのように彼女は腰をくねらせる。

次第に吐息が荒くなっていく。

繰り返していくうちに、乳首は固くなりいやらしいほどに勃起していた。

「お姉さん、乳首が勃起しているよ?…恥ずかしいね?」

僕はあやすように彼女にそう言い、彼女の背中に僕のギンギンのペニスを当てる。

「アアン、だって気持ちいいいの。A君だってもうおちんちんが硬くなっているじゃない…アアン。」

乳首勃起したタイツ人形は感じながらそんなセリフを吐いてきた。

僕は意地悪したくなってきたので、片方の手をクリトリスに当てて、今度はクリをゆっくり円を描くように刺激をしてみた。

「アアアアアア、ダメだよ。私人間でなくなってしまうーン」

あっという間にクリトリスまでぐちゃぐちゃに濡らす。

声がだんだんおかしくなっていくこのタイツ人形…一体どうしたものか。

「さっきまでお姉さんだと思っていたのに…、今僕の前にいるのは…変態乳首クリ勃起してここをこんなにお漏らししている人形だね」人形の耳元で囁く。

「アワワワ、ダメそんなこと言わないでえ!!」

「じゃあ止める、僕嫌われたくないしね。」

「違うのおお、もっともっと乳首とクリ勃起したいのおおおお!!!!」

ーまた2段階ほど理性のスイッチがOFFになったようだ。

ビジネスホテルのシングルルームに人形から排出された愛液の匂いが漂っていた。

ー舐め回したい!もっと人形がおかしくなるところが見たい!

 僕も1つ理性のスイッチがOFFになった。

僕の変身願望⑦〜僕のゼンタイ〜

ホテルに入った僕はどこに居場所を見つけるのか少し苦慮した。

お姉さんは手慣れた様子で買って来たものを整理し始めた。

「ベッドに座っていいよ、くつろいで。」

「…あ、はい。ありがとうございます。」

僕は買って来たお茶を飲んだ。飲んだところですぐに喉が渇いていくのが分かる。

「私もくつろぐから君もくつろいでよ。」

お姉さんはごろんとベッドに横になって、無邪気な様子でこちらを見上げる。

 

「あのさ、このパンストのメーカー知ってる?安価でね、私とても好きなんだよね。***ってところのやつでね。こうやって通すでしょ。しっとりとしていて、それだけでざわざわするのよ?」

お姉さんはパンストの片方を腕に通し、それを僕に触らせてきた。

それはとても滑らかで、しっとりしていた。

指を這わせると、パンストの抵抗が緩やかに指先に走る。

「これ、とても良いですね…。」

僕は興奮していた。

ー少しだけ、いいよね。腕だしね。

僕は何度もパンストの腕をゆっくり撫でた。

繰り返し指を触れるたびに僕は少しずつスイッチが入っていく気がしていた。

「あっ…。」

お姉さんがさっきとは違う声を出す。

表情も少し潤んだ目で、僕を見ている。

「それ以上触らないで…私、スイッチ入っちゃうよ。」

また僕の興奮のゲージが上がる。

「良いですよ、僕はそんなお姉さんが見たいんです。僕、持ってきたんですよ。2つ買ったって言ったじゃないですか。」

潤んだ目が少し驚いた眼に変化する。

「えっ、つまりはどういうこと…?」

「ゼンタイです。僕、2着持ってきたんです。99.9%ないかもしれないと思いつつも、少し賭けてみて、準備してきたんです。お姉さんはこれです。」

そう言って僕はショッキングピンク色のゼンタイを渡す。

お姉さんはすごく喜んでいるように見えた。

「少し待って…せっかくだから***のパンストを直履きしてから着て良い?」

すごくノリがいい…。

「も、もちろんです!!」

お姉さんは僕にお勧めのパンストを腕から抜き取り、あっという間に裸になった。

 

僕の目には、パンストを直に履いていく姿はスローモーションのように映った。

年上のお姉さんが僕の目の前で直にパンストを履いていくーパンストを手繰り寄せ、脚を次第に包んでいく。

パンストで脚が覆われ、次はゼンタイを纏う…お姉さんが段々とお姉さんではなくなっていく瞬間に僕は立ち会っている。

僕が何回も自慰をしてしまったゼンタイを彼女は纏おうとしている。

洗濯をしているとはいえ、僕の自慰した布を、僕が入った世界に彼女も入ろうとしているのだ。

僕は背部のジッパーを閉めた。

 

目の前にはピンクのゼンタイの人がいる。

そう、お姉さん…でもさっきとは少し様子が違うんだ。

さっきまでのお姉さんはどこにも居ない。

お姉さんは身体をサワサワしながら僕のいる方向を見ている。

ーいいよね、いいんだよね。だって触って欲しそうなんだもん。僕がそっと撫でてあげるよ。

 

ゆっくりと近付き、僕はお姉さんの顔に触れる。

「アッ…ン」

可愛い…僕にそんなに構って欲しいの?

身体を揺らしながら小さくうなずく。

僕は飼い猫を撫でるように、顎を撫で、頭から顔をゆっくりと撫でた。

彼女の息が布をつたって僕の指に伝わる。

ー僕で興奮してくれているんだ。もっと触るからもっと興奮してよ。

僕のスイッチは完全にそっちモードへ切り替わっていた。

僕の変身願望⑥〜ささやかな期待〜

やり取りを始めた頃、僕は高校生だったけれども、今は立派な大人だ。

年上だからとお姉さんに全てご馳走になるのは良くないと、半分出させてもらった。

楽しい時間とは本当にあっという間に過ぎるようで、お店に入る前と後での空気は変わり、汗ばむくらいだったのに、お店を出る頃には肌を切るような空気に変容していた。

 

お姉さんは手を少しこすらせながら言う。

「寒くなってよねー。そのうち日本は四季がなくなるのかもね。あのさ、天気の子見た?」

「ああ、僕見ました。なんというか…10代に見ていたら僕は新海さんの世界にはまっていただろうなって。」

「私もー。あんな風にさ、大人を差し置いて非現実的なものを信じるって若いからこそのエネルギーだよね。あれ見てて、私は知らない間に人の感情よりも無条件に規律で反応する大人側になったんだなって、少し寂しくなっちゃった…。」

「…。」

「あとねー、あの人すごいと感じたのはさ、世代間のギャップなんだよ。大人は…私もだけれど四季があるのを当たり前で、それで異常とかいってるでしょ。もう遅いんだよ、四季なんてとっくに壊れちゃってるのに…でも今の若い人たちはそれが当たり前になってんのよ。四季なんて良くわからないけど、春とは花粉が飛んで一瞬で桜が散って、夏は熱中症になる程めちゃくちゃ暑くて、午後にはゲリラに襲われるか否か、そして一瞬にして葉っぱは散ってしまうのが秋、15度を下回る日が続くと冬かな…みたいなね。」

「…なるほど…。僕たちの時代との価値観は変わりますよね。」

「じっと見ていれば四季の変化はあるかもしれないの。でも、今の人達はそんなもの、じっくりみないでしょ?木々の葉っぱの移り変わりより、いいねの数だよ。虫の鳴き声より、イヤホンジャックから流れる音楽に心を奪われているよ。」

「…。確かに…僕も待ち合わせをしている間、ずっとイヤホンの世界でした。」

ーやっぱりお姉さんだ。僕はこんな感性を表現をすることはできない。でもお姉さんの感性が僕は大好きだ…って言えないけれど。

「ね、そんなもんなんだよ。私も来るまでずっとスマホ見てた。遅刻しそうだったから。」

お姉さんはケタケタ笑う。

お姉さんは153センチくらいなのかなあと僕はぼんやり眺める。

「見る視点を変えれば、世界はグンと変わるし、不思議なものになるの。未知の世界ってやつね。Googleで自分が調べるまで分からない世界ってあったでしょ?アレみたいに。」

ー今度は含みを持たせた笑いだ。

「そ、そうですね。」

ーお姉さんはお姉さんの域を越えない。やっぱり僕はそういう存在なのかな…?

「あのさー、まだ時間ある?」

ー唐突だ。

「終電で帰れば問題ないです。」

「終電は何時なの?」

「駅に0時5分にいれば帰れますかね。」

「そっか。じゃ、ホテルでお話しよっか。私出張でこの近くに宿を取ってるの。」

ーえっ。何この展開。えっ、僕のアレ、もしかして…?

「あ、はい。大丈夫です。」

努めてニュートラルな声のトーンで答えた。

お姉さんは視線を合わせず、こっちと指さして、どうでもいいような話をしていた。

どうでもいいというのは語弊であるが、僕の頭の中ではそれどころではなかった。

お姉さんのスカートの下から見えるパンストに、何の話か分からないけれどその声に、僕は釘付けになっていた。

歩くたびにスカートの裾が持ち上がり、パンストの面積が外部へお目見えする露出が増える。

ーどんな匂いがするのだろう…足裏を押し付けられたりするのかな…。

でも期待しちゃいけない。

今さっきだって、期待を裏切られたばかりだ。

 

エレベーターの中で、176センチの僕を見上げながらお姉さんは言う。

「あのさ、言っとくけどゼンタイなんか持ってきてないからね。」

 

 

ーほら、期待しちゃいけないんだ。

考えてみろ、いくらやり取りが長いからといっても初対面だし、明日は月曜日だ。

僕と僕の息子にそう言い聞かせる。

『明日は月曜日だ!!!』

 

「あ、もちろんです。明日は月曜日ですし。お互い体力温存しとかないと。」

「そうだよ。明日は月曜日だね。」

お姉さんはにっこり微笑む。

 

ビジネスホテルの708号室へ通される。

再び、僕と僕の息子にそう言い聞かせる。

『明日は月曜日だ!!!!』

 

 

 

僕の変身願望⑤〜僕の告白〜

お姉さんは僕の話を聞いてくれるだろうか。

この間みたいな、写真をあげたら返ってきたコメントではないコメントが欲しい。

きっと違うコメントをくれるはずだ。

 

「あの、話したいことがあって…。」

僕は乾いた喉に唾を飲み込む。

「何、あらたまって。」

お姉さんの表情は変わらないけれども、視線の先は僕の目だ。

「僕、昔からなんていうか…タイツが好きで。女性のタイツに魅了されて…。」

「ふむ。それで?それは極めて正常な告白だよね。」

「えーっと、もっと言えば、僕自身もタイツを履きたい気持ちがあって。でもどこかで否定していた自分がいて。ああいうのは、一部の人が嗜むものだと。…例えば…お姉さんみたいな…。」

僕はお姉さんから視線を逸らす。

「あははは。何それ、ウケるね。私は神か何かなの⁈ そういう性癖だって受け入れただけでしょう?おめでとう…同志よ。」

そう言って僕にビールを注ぐ。

「えーっと…アッサリなんですね。」

「アッサリも何もさ。タイツに包まれてタイツの幼虫になりたいとかさ、それが成長してタイツの繭から生まれたタイツ人間になりたいとか、クソ真面目考えている人間に言ってんだもん。私からしたら仲間がいて嬉しい意外に何があんの?」

「えっ…。」

「もしかして、幼気な少年に何か植え付けたのかしら?ああ、罪深い女だわ‼︎あははは。」

お姉さんはケタケタ笑っていた。

「それで、何を見せてくれるの?」

お姉さんは逸らした僕の目線を追跡し、僕を覗きこむ。

もう僕は見せるしかなかった。

「先日、初めて着てみたんです。とても…なんていうか、不思議な感じがして…僕は僕じゃなくなる気がしました…。」

僕の耳が次第に熱を帯びていくのが分かる。

「僕は僕じゃなくなる気がして…?」

お姉さんはずっとこちらを見つめている。

「僕はとても興奮しました…ッ。」

…僕はお姉さんにめちゃくちゃにされたい!

意気地なしの僕からは、そんな勇気ある発言は繰り出せなかった。

 

「可愛い…。」

僕のペニスはギンギンになっていた。

 

何となくお預けを食らっている僕は、勝手にお姉さんに首輪をつけられて、リードで引かれている気分になった。

そんな風に思えば思うほど、恥ずかしさと興奮が増していった。

 

「そろそろ時間だし、お会計しよっか。」

お姉さんは何事も無かったように視線を戻し、平常運転に。

「あ…はいっ。」

僕と僕のペニスは少し悲しい気持ちになり、縮こまってしまった。

…お姉さん、僕のことを遊んでいるのかな…。

少し不安になりながらお店を出た。