update2
君は唇を震わせ、涙ぐんだ様子で僕から視線を逸らす。
確かに両手に手枷は付けているが、それだけの状態で椅子に腰を下ろしているだけだ。
私服のままであるし、動こうと思えば…若しくは僕の発言に異議を唱えるならば、充分な時間は与えられている。
立っている僕は、君の頭を両手で抱え、再度視線を合わせるように促す。
身体は小刻みに震え、体温が上がっていくのを感じることができる。
なんていうことだろうか。
この状態でまだ細やかな抵抗をしているようだ。
本当は直ぐにでも壊して欲しそうな表情なのに、何も発言しない。
それは狡いなぁ…。
僕が貴女の精神をジャックするでしょ。
貴女はね、僕みたいな人を探していたんでしょ?
僕はね、貴女みたいな人をずーっと探していたの。
ずっとね、アルバイトを始めた頃からロックオンしていたの。
貴女は気付いていなかったかもしれないけれど、貴女の表も裏のSNSも全部知っているよ。
僕はその上で声を掛けたの…そしたらさ、貴女は僕とこんな密室な空間に2人きりでいるじゃない?
僕ばかりいっぱい告白して…ズルイよ。貴女だって、僕に声かけて欲しかったくせにさ。
ようやく目を合わせてくれた。
唇の傍から涎が垂れている。
カウパーの匂いと僕の言葉に反応している。
…可愛い…。
ずっとこんな風に言って貰いたかった…って?
早く言ってよ。
僕はずっとその言葉を待っていたのに…全く焦らしてくれるね。
君は五感の融合を欲していたね。
それが僕のコアでもあるんだ。
いいかい?
僕と一緒にいる時には、君は僕の所有者だ。
君は、僕の好きなように…と言ってくれたから、僕は君を好きなように扱うよ。
もうあの男の事を忘れさせてあげる。
君は僕にこれからのやり取りをずっと撮り続けられるんだよ。文字として、映像として。
今度は僕が君を描写するんだ。
普段の様との比較、僕と過ごした時間の流れ等を細かくね、描写するんだ。