Meaning
この所、自分に対しての嫌気がハンパなかった。
暖簾に腕押しな感覚…欲をぶつけたい、けれどぶつけたところでどうしようもない…生きている意味なんてないな…って感じていた。
生きることの意味って、人に優しくする事、困っている人へ手を差し伸べる事では無い。それは人として当たり前だし、生きる意味にならない。
お金を稼ぐ事、有名になる事等…これも上記を達成する手段にしかならない為、生きる意味にはならない。
秋葉原のHUBは、お盆期間中なのにサラリーマン達で溢れていた。
黒縁メガネの男性の会話は、今にも英語で話しそうな勢いだった。がめつさはなく、探りを入れる感じでもなく、私の外見でもなく、「私が何故そんな嗜好なのか」について、興味を持って話を聞いてくれた。
「自分のパートナーは何人もいてね、僕は女の子が好きで、女の子の為に頑張りたいから色々試すんですよー。」
へー。
やっぱり世の中には風変わりな人もいるな。
あ、でも自分も何人もいるから一緒か…相手は私のことをパートナーと見ているか分からないけど。
「私はね、自分の性癖の解放ってのは、相手への押し付けになる気がしちゃうんです。だから、プレイしても無理強いをさせているんじゃ無いかって気持ちになっちゃうんですよね。」
「僕もそれはありますよ。でも下半身に素直になって行動して、それでちょっと違っていれば謝ればいい。そもそも嫌ってプレイした誰かから言われていたんですか?言われていないなら、そのままで良いってことなんですよー。」
あ、それは明確には言われていないな。
無理そうな人は相手からフェードアウトしていったけれども、この1年くらいは素敵な方との巡り合いしかない。
私が勝手に理由付けして離れていただけだ。
なんだ、素直になれば良かっただけじゃん。
「変態ってスペック高い人が多いじゃないですか。純粋なんですよね、純粋な変態。僕は人間らしくて好きなんですよねー!」
「そうなんです、純粋な変態なんですよ、皆さん。だからとても素敵なんです。私の前でそれを曝け出してくれた瞬間、堪らない気持ちになるんです‼︎」
そっか、そっか。
私は純粋な変態が好きだ。
「自分が変態って自覚はあるんです。少し前にプレイした生粋の鼻フェチの人からハナクソの魅力を教えて貰いました。鼻に舌を突っ込むでしょ、鼻毛と粘膜の間の感触を舌で味わう愉しさを実感しました!変態と変態がね、プレイすると、新たな融合が生まれるんです、私はそれが楽しいんです…正直、そのために生きているようなもんですから。」
「それは素晴らしいですよ!人間らしくて良いなあ。極めて人間らしい。」
あ、私は人間らしいのかもしれない。
そこに興味を持ってくれているなら、それで良かったんじゃん。
それで満たし合えば良かったんじゃん。
素直になれば、もっと相手も心を開いてくれるかもしれない。
なんだ…こんなにも自分を自分で痛めつけなくて良かったんじゃん。