僕の変身願望⑦〜僕のゼンタイ〜
ホテルに入った僕はどこに居場所を見つけるのか少し苦慮した。
お姉さんは手慣れた様子で買って来たものを整理し始めた。
「ベッドに座っていいよ、くつろいで。」
「…あ、はい。ありがとうございます。」
僕は買って来たお茶を飲んだ。飲んだところですぐに喉が渇いていくのが分かる。
「私もくつろぐから君もくつろいでよ。」
お姉さんはごろんとベッドに横になって、無邪気な様子でこちらを見上げる。
「あのさ、このパンストのメーカー知ってる?安価でね、私とても好きなんだよね。***ってところのやつでね。こうやって通すでしょ。しっとりとしていて、それだけでざわざわするのよ?」
お姉さんはパンストの片方を腕に通し、それを僕に触らせてきた。
それはとても滑らかで、しっとりしていた。
指を這わせると、パンストの抵抗が緩やかに指先に走る。
「これ、とても良いですね…。」
僕は興奮していた。
ー少しだけ、いいよね。腕だしね。
僕は何度もパンストの腕をゆっくり撫でた。
繰り返し指を触れるたびに僕は少しずつスイッチが入っていく気がしていた。
「あっ…。」
お姉さんがさっきとは違う声を出す。
表情も少し潤んだ目で、僕を見ている。
「それ以上触らないで…私、スイッチ入っちゃうよ。」
また僕の興奮のゲージが上がる。
「良いですよ、僕はそんなお姉さんが見たいんです。僕、持ってきたんですよ。2つ買ったって言ったじゃないですか。」
潤んだ目が少し驚いた眼に変化する。
「えっ、つまりはどういうこと…?」
「ゼンタイです。僕、2着持ってきたんです。99.9%ないかもしれないと思いつつも、少し賭けてみて、準備してきたんです。お姉さんはこれです。」
そう言って僕はショッキングピンク色のゼンタイを渡す。
お姉さんはすごく喜んでいるように見えた。
「少し待って…せっかくだから***のパンストを直履きしてから着て良い?」
すごくノリがいい…。
「も、もちろんです!!」
お姉さんは僕にお勧めのパンストを腕から抜き取り、あっという間に裸になった。
僕の目には、パンストを直に履いていく姿はスローモーションのように映った。
年上のお姉さんが僕の目の前で直にパンストを履いていくーパンストを手繰り寄せ、脚を次第に包んでいく。
パンストで脚が覆われ、次はゼンタイを纏う…お姉さんが段々とお姉さんではなくなっていく瞬間に僕は立ち会っている。
僕が何回も自慰をしてしまったゼンタイを彼女は纏おうとしている。
洗濯をしているとはいえ、僕の自慰した布を、僕が入った世界に彼女も入ろうとしているのだ。
僕は背部のジッパーを閉めた。
目の前にはピンクのゼンタイの人がいる。
そう、お姉さん…でもさっきとは少し様子が違うんだ。
さっきまでのお姉さんはどこにも居ない。
お姉さんは身体をサワサワしながら僕のいる方向を見ている。
ーいいよね、いいんだよね。だって触って欲しそうなんだもん。僕がそっと撫でてあげるよ。
ゆっくりと近付き、僕はお姉さんの顔に触れる。
「アッ…ン」
可愛い…僕にそんなに構って欲しいの?
身体を揺らしながら小さくうなずく。
僕は飼い猫を撫でるように、顎を撫で、頭から顔をゆっくりと撫でた。
彼女の息が布をつたって僕の指に伝わる。
ー僕で興奮してくれているんだ。もっと触るからもっと興奮してよ。
僕のスイッチは完全にそっちモードへ切り替わっていた。