僕の変身願望⑨〜黒い蜜の味わい〜
僕のやることに彼女は反応を示す。
僕が彼女のタイツに触れるたびに、彼女はビクビクしながら身体で反応する。
僕は何かの楽器を奏でるような気持ちになり、興奮と幸福感を抱いていた。
僕が彼女の主導権を握るようでもあり、一緒に何かのストーリーを作っているような感覚でもあった。
お姉さんの欲望を僕は受け止められる器があると確信した。
愛撫をするたびに、僕はお姉さんの黒い蜜が今にも迫りそうな感覚に陥った。
「お姉さん、…ねえ…、あなたはあなたの本名を教えてよ?…僕はずっと追いかけていたんだ…10年も前から…。」
僕はお姉さんを手繰り寄せ、首筋にキスをする。
「はぁぁ…わたしのなまえ!?…わたしのなまえは…アイ…。あなたのおなまえは…んふぅぅ…。おしえて…?」
あいさんは首を反らせ、キスをもっと求めてくる。
「僕の名前は、カズユキと言います。アイさん、素敵なお名前…すごく愛おしいです。」
「カズくん…嬉しい。…でもわたしはあなたよりすごく年上だし…。」
アイさんは反った首を下に戻し、俯く。
そんなアイさんのシルエットがとても愛らしく思え、胸が締め付けられた。
「アイさん、僕とあなたはもう非現実的な関係じゃないよ。お互いの名前まで知った仲ですよ。僕に委ねてください。…僕は逃げませんから…安心して…おいで…。」
アイさんの首を持ち上げ、僕は頭を撫でてキスをする。僕はアイさんをすっぽり覆う。
ーこのままひとつに交じり合って溶けてしまえばいいのに…。
「アイさん…僕を信じてくれる?」
「…信じていい…?」
「大丈夫…僕はあなたが10年前の苦悩も何もかも、あなたの欲望の全てを見てきた。ずっとずっと会いたかった…。」
アイさんをぎゅっと抱きしめる。
ーこのまま僕の身体の1つにならないかな…
「カズくん…わたしすごく嬉しい…でも好きになっちゃう…。全力で好きになっちゃう。独身の貴方に迷惑をかけたくないの…」
ーそんなこと知ってる。ずっとアイさんは愛し方で苦悩していた。黒い蜜を注げる器が無いことをずっと嘆いていた。アイさんにしたら、僕は経験も少ないし、所詮若僧にしか見えないんだ。
「アイさん、知ってる?僕の器は小さいのかもしれない。アイさんからみたら。知ってる?僕の器は花を生ける花瓶の形をしているんだ。途中で細くなって、また太く末広がりの。そしてね、一方向から見たら花瓶のデザインで見えないようになっていてね…でも奥行きもある花瓶なの…。意味わかる?」
「…ワカル。私の歪な愛を受け止めてくれるってことでしょ?」
「その通り…。」
ーぼく、アイさんが欲しいや…
「アイさん…、僕はアイさんの黒い蜜を吸いたい、…いい?ずっとあなたが溜めているあの黒いやつ…、ネエ、イイでしょ?僕はずっとそれを吸いたかった…。」
ー僕が犬なら今頃は尻尾をビュンビュン振っていることだろう…。
「うん、いっぱい吸って…。」
「最高だ…」
僕はアイさんのクロッチを目掛けて舌を出す。
タイツを精一杯舌で押し出して、タイツ越しのアイさんの秘めた部分を舐め回す。
舐めるとじゅわっと蜜が溢れていくのが分かる。
クリの部分を刺激すると、液が染み出してくる。
アイさんは次第にまた理性を失っていく。
アーとかイーとか。
声にならない喘ぎ声を出し、理性の城を攻め落としていく。
また城壁が崩れていく…その崩落の度に彼女の身体から黒い蜜を僕は全身に浴び、僕はアイさんの甘美な世界を漂っていた。
アイさんの世界を、僕はその黒くて、世間の人は気持ち悪がるその蜜が堪らなく好きだ。
その蜜を舐めれば舐めるほど、アイさんの沼にハマっていく感じがした。
もう戻れないだろう…危険でとっても甘い蜜。
本能的に感じて、ずっと繋がっていたこの関係、僕の本能がそうさせたものに、今更理性なんていう意味付けは不要だ。