black eyes
ずっと見てはいけない気がしていた
それは危ないから
瞳の奥から感じるものがみえたから
普通の人にはそれは分からなくて
とても穏やかで優しいようにしか映らないだろう
自分の奥底に潜めているものを
ズルズル引き摺り出そうとしているようで
ずっと怖くて見えなかった
でもその瞬間は突如として現れる
然るべきタイミングだったのか
たまたま目が合ってしまった
彼はニコニコしていた
穏やかで優しい笑顔で
そしてがっぽり唇を吸い込んでしまった
何かの調子が崩れていく…
目を閉じているのに
眼を開眼させるような
強烈な刺さるような視線を瞼から感じる
そっと瞼を開けてみる
瞳が鼓動するように
爛々と押し寄せてくる
右眼と左眼が一体となり
一つの黒い瞳となって嬉しそうに私を見る
ヒューズが飛んでしまう感じ
ブッツリと
ああ、刺さっちゃった
黒い瞳に刺さっちゃった
瞬時に理性が飛んだ
眼がイッてしまった
唇から涎が溢れてしまった
飛んだ瞬間に、身体ごとイッてしまった
私は丸呑みにされてしまった