食されたい存在
専門家は言う。
何かあれば相談してくださいね、
昔はそれが先生だったり、先輩だったり。
でも何かを言うには心の共感ベクトルが同じじゃないと話す気になれない。
専門家だろうと無かろうと、話がわかる人に話をする。
見ず知らずのネットの人に相談するなんて、けしからん話だ。
見ず知らずのネット上の人なんて信用できない。
誰がどこで自己開示をするかという問題と、それを利用して私欲の肥やしにする問題とは別物だ。
私だけではなく、ネット上で見る限り、自己開示をするにあたり、いくつかのレイヤーが存在する。
この人には第一層まで、この人は信頼できるから第五層くらいまでだろうか…?
あなたが層別化するように、相手も層別化しながら自己開示を図る。
時として、大何層とか考えが及ばないままに引き込まれてしまう人もいる。
昆虫が花の蜜に誘われるように…その花の様相が、自分を侵食するに値する対象と分かっていても、本能が理性を上回るタイミングが存在する。
例えば、その人には安定的なパートナーが居たとしても…表面上は何の歪さを感じないようであっても、自分の本能がそうさせる。
そういう甘美な対象と遭遇してしまうと、何かの暗示にでもかかったかのように、ロックオンされてしまう。
例え相手がどんな風に自分を見ていようかとか関係なく…(いやもちろん全身全霊で自分を愛してくれ、骨の髄まで食してくれるのが本望なのだが…)、自分が相手の全てが好きで好きで堪らない対象となり得るのだ。
幸いにして、自分の偏愛ぷりが万人受けしないことはもう十分承知しているので、その人を目の前にし、その人から双方の合図がない限り、偏愛ぷりがオープンになる事はない。
愛の形は人それぞれ。
もう仕方が無いのだけど、食されたい存在にしか、私の内なる気持ちを打ち明ける事は無いと思う。
世の中的に相応の対応を、レイヤーに合わせてやり取りをする。それで互いはそれ相応の温かな関わりがし合える。
自分の気持ちは、偏愛を許し合える関係性の中に成立する。
壊しに来てよ、いつでも待っててるから。
器
コロナのおかげで働き方が変わったよ
価値観も変わったよ
特別なものは案外特別でも何でもなくて
気にも留めてなかったものが案外価値あるものだったりね
ブログに綴るか
ツイートするか
吐き出すのは相変わらずだけれど
自分の内部が緩やかに変わっていくのが分かる
これが何かってのはまだはっきりしないものなのだけれど
少なくとも大体の周りの事象は
以前よりいっそうどうでも良くなった
でも変わらないのはこの黒い塊だ
さてどうしてくれようか?
錬金術師でも現れてはくれないか?
こればっかりはコロナでお手上げだ
器は歪で構わない
その歪さに合わせて塊は変容するだろう
ただ俗っぽい歪さの場合には
塊を全て落とすことなく
塊から滴り落ちる液体くらいなのでしょう
その夏の特別な日⑥
朝はゆっくりでも良かったのに落ち着かずに目が覚める。
時計は朝の5:30、窓を開け、ゆっくり深呼吸する。
関東はずっと雨続きだったけれど、今日に限っては日が差している。
両親に説明し、約束よりも30分ほど早く出られるとメッセージを入れる。
彼は無事に到着していたようで、安堵した。
よく考えれば2人でお泊りできるだなんて本当に夢のようである。
彼が停めている駐車場まで行き、ハザードをつける。
「久しぶりー、お疲れ様ー!!」
「おー久しぶり!!」
彼のオーバーリアクションは気恥ずかしかった。
「恥ずかしいから…早く車に荷物載せて」
「はーい!」
エンジンをかけ、彼を助手席に乗せて、車を走らせた。
いつも私は彼の助手席だったけれど、今日は今日だけは逆のパターン。
これから私は出張の案件を済まさなければならなかったけれども、そんなことが実に些細に思えるほど、私の心は踊っていた。
これから2時間のドライブが始まる。
「それじゃあ、出発しまーす!」
「OK~!よろしくお願いしまーす!」
その夏の特別な日④
会うスケジュールを決めてからというもの、私はその日を心待ちにしていた。世間はコロナ、コロナ、コロナ…もう毎日がウンザリする…。世の中はテレワークだなんだとか言っているけれども、私には無関係…というか、学校関係者なんていうのはただでさえブラックなのに、拍車をかけた。
かねてからICT教育推進なんてことを言われていたけれども、どう考えたって本校に…いや周りの関係者の話でもそれはまだ先だろうという印象であった。休日は部活で潰れるし、平日も多忙な業務に加え、相談やらクレーム、そして身内でのハラスメントなんかで精神を消耗しきってしまっている。
昨日も先輩の愚痴を延々と聞かされていた…他にもすることあるんだけれどなあと思いつつも、そこがしっかりしてもらわないと先には進まない。相談室のアクリル板越しに話を聞きながら、私は蒸れたパンストの太ももをサワサワしていた。
「そういえば…数学の武田先生、先生の事気になっているんじゃない。私前から気になっていたんだけれど、武田先生、湯島先生のことずっと気にかけている感じよ。どう…武田先生、湯島先生的にはアリな感じ?」
先輩は一通り話し終わったところで数学の武田先生の話題を持ち掛けてきた。武田先生は自分よりも3つ下の先生である。元々色が白くて女性的だったけれども、最近は肉体改造をしているようであった。私は彼が着任以来彼が困っているタイミングで声をかけてきた。それは周りが無関心というか、新人は先輩に訪ねてくるのが筋という文化であり、私はそれがいかに業務効率を下げる要因でしかないという考え(私は極力残業したくないのだ…!)であったので、彼には積極的にサポートをしてきたのであった。
武田先生自体は良い先生だし、これからも頑張ってもらいたいという気持ちだけだった。仮に好意的に思っていたとしても、私が先輩にその話をする訳がない。変に弱みを握られたりするのも癪に障るというものだ。それより、早く切り上げて帰りたい…。
「ああ、そうなんですか。私は彼が困っている事をその都度教えているだけなので…そのせいじゃないですかね?先生方お忙しいから武田先生もお声をかけ辛かったんじゃないでしょうか?」
もっと何か聞き出せるはずなのにという納得いかない表情で先輩は言う。
「そうかあ。まあ皆コロナでピリピリしているから余裕ないもんね。武田先生もまだ若いし、その辺の立ち回りに困っているんでしょうねえ…。湯島先生ばかりにしわ寄せいくのもおかしいから、私も声かけてみるわ。」
「あ、ありがとうございます。武田先生も本田先生から声かけて頂けると安心されると思います!私だとまだまだな部分がありますから…。」
「まあ、湯島先生もまだ4年目だもんね、荷が重いよねえ。フフフッ。私に任せて。今日も話を聞いてくれてありがとう。」
そう言って先輩こと、本田先生は席を立つ。時計を眺めると2時間ほど相談室で話をしていたらしい…この時間こそ本当に無駄なのである。しかしながら、どこかで発散しないと皆どこかで壊れてしまうのでは…教員にはそんな脆さがあった。
室内を消毒し、軽い絶望に苛まれる。
…はあー私だって発散したいよ。
自宅に戻れば家事と監視好きな両親が待っている。このところの騒ぎで仕事量が増えたおかげで家事は何となく免除され気味だが、行動に関しては今までより厳しくなった気がする。
『帰りは何時ですか?』母からのLINEが入る。
『一仕事してから帰るのでご飯は要りません。ご飯はコンビニで買って食べます』とメッセージを入れる。
これで少し自分の時間が持てる。
今日はもう仕事しないやと心に決め、帰り支度をしてから自分の車へ乗り込む。
辺りはもう真っ暗。私は少しSNSを開ける。
彼からのメッセージは来ていない…。きっと忙しいのであろう。
別の人からメッセージが入る。
『僕の汚チ〇チ〇も舐め回してください。私は大手企業の管理職なので、安心してください』
…安心できるわけがない…。
『僕は17歳の童貞です。サヤカさんの奴隷になりたいです。お願いします。』
…お願いされても無理…。
そんなメッセージと色んな人達の欲求がタイムラインに流れる。
ああ、世間はコロナに毒されている。
私は今日履いていたパンストのクロッチ部分をなぞる。
「今日も私頑張った…はぁ…」
膨れ上がったアソコを指で軽く押したり、擦ったりしてみる。
「ふぅ…」
じんわり熱くなっていくのが分かる…私は脳内で黒いゼンタイ姿の人間に弄ばれることを想像する。恥ずかしい恰好をさせられて、それを写真に撮られて、彼の密かなコレクションになることを思い描く。
その夏の特別な日③
「ヒルみたい…ちょっとやばいかも…んふっ…。」
いけない、いけない、僕もスイッチが入りそうだった。
先に彼女を最高のコンディションになってもらわないと困る。
「お風呂へ入ろうか。」
彼女の手を引いて浴室へ向かう。
僕のお気に入りの入浴剤をバスタブに入れ、彼女に効能を味わってもらう。
彼女は僕が身体を洗っている間、目を閉じて香りを楽しんでいた。
「上品な香りだね。」
「これな、お勧めやねん。もっとにぎにぎしてみ?香りが楽しめるから。」
言われた通り、彼女は入浴剤をにぎにぎしながら広がる柚子の香りに浸っていた。
「腕を貸してみ?」
「腕?」
僕は彼女の腕をマッサージする。
腕も首筋も、ゴリゴリしている。疲れが溜まっているんだ…老廃物を流さなくては。
「お客さーん、大分疲れが溜まっていますねー?」
「うーん、疲れてる笑。それは間違いない。でもなんで分かるのー?てかマッサージもできるの?すごくない!?」
「身体に良いものはどんどん取り入れるタイプやからね。これは前にRUSHのお姉さんに教えてもろーたやつ。始めは何気なく行ったとこやったけど、僕の身体のこと聞いてくれて、アドバイスしてくれたん。それで覚えたスキルやねん。」
「すごいなー、さすが要くん、何でも吸収するね。私もちょっと前までそんなことも気にしていたけど今は全然だめ…その日を生き抜くことで精いっぱいだ…。」
身体を引き寄せ、唇を奪う。
下唇のぷっくりした弾力、歯の感触、口腔内の容積、舌の厚さと長さを自分の舌を這わせて確かめる。
そうそうこの感触…呑み込んでしまいたい。
「なあ、僕の目見て?」
いつもの合図を投げかける。
僕の目はよく分からない秘密があって、人のオーラとかそういうのが読めてしまう。
この目は自分にとって負のものでしかなかったけれど、彼女は僕の目が吸い込まれるような目で好きだと言ってくれた。
そういう彼女のオーラは独特で、正体を見せるまではポップなカラーで、僕と二人きりになってから紫色へ変容し、完全にスイッチが入った時には真っ黒に変容した。僕と同じようなものを持っているんだと確信したのを覚えている。
僕の目を見るなり、彼女はスイッチが入った。
こうなればもう僕のもので、バスタブの中でしばらく裸の状態で愛撫を楽しんだ。
すぐにコリコリになる乳首とクリトリス、指を入れればぬるっと吸い込まれるヴァギナ。
生きているダッチワイフのようだけれども、もっともっと彼女はダッチワイフになれる素質がある。
「そろそろ包まれようか?」
「うん、包まれたい。もう何もしなくてよくなりたい。」
「何もせんでええよ。僕の、僕だけのお人形さんになってくれればええよ。色んなお人形さんになって欲しいから…いっぱい持ってきたんやから。」
さあさあ、これから長い夜が始まる。
この日のためにちゃんと記録を残そうと決めていた。
本当は僕と彼女の部屋を作るつもりだったのに、コロナで全ては0になった。
僕は年明けから続いた耐え難い精神的なダメージを喰らわされていて、3月の初旬にはHPは0になりかけていた。
そんな状態を救ってくれたのは彼女だったのに、神様はそんな僕に更なる試練を与えてきた。
僕は負けない…この特別な時間を最大限楽しむと決めたのだ。
その夏の特別な日②
食材調達のために近くのショッピングモールへ向かう。
入り口前の噴水のイルミネーションが夏の夜っぽさを出していた。
「今日は限界にチャレンジするから沢山水分とるかも…」
そういいながら2ℓのペットボトルのお茶、スポーツドリンクを籠に入れてきた。
僕はチキンカツのお弁当を入れた(今夜は体力使うだろうし…)。
彼女はお弁当を入れた後、スイーツコーナーでじっくり見入っていた。
「何それ、メッシーする?」
僕は彼女のお尻をふざけて触る。
照れくさそうに「ううん、今日はプリンな気分なの、プリンアラモード!普段は絶対食べないけどね、エネルギー無くなっちゃいそうだから笑!」
そして僕用に丑の日が近いからとウナギイヌのエクレアを買い物かごへ入れてきた。
何の変哲もないスイーツなんだけれど、僕からすると彼女の期待と以前言っていたメッシープレイを期待しているのかな…と思った。
そして下調べしていたホテルへ到着する。
またすごい雨が降り、不快指数はMaxだった。
沢山の荷物を抱え、チェックインを済ませる。
2人とも一気に緊張の糸が切れる。
「つーかーれーたーーーー」
彼女は荷物を置き、速攻でうがいと手洗いを済ませベッドへ倒れこむ。
僕は一通りの感染対策を済ませた後、お風呂の準備をして、今日彼女と楽しむためのお店の準備を始めた。
「いつものお店だ♪こんなにたくさん!?」
「せやで。どれだけこの日を心待ちにしたかと思ってるん?」
「私も…だからね、私も今日は持ってきたの。自粛期間中ね、部屋の掃除をしていたの。そしたら捨てたと思い込んでいたものが見つかって…これこれ…でもね、実家で洗えていなくって…お股の部分がシミになったままなの…恥ずかしいんだけど。後はこれ…えーっとなんだっけ…。」
ぶつぶつ言いながらその商品のパッケージを開ける。
出てきたのはナイロン製のグローブだった。
「あーなんか思い出した。以前注文したんだけれど、買ってすぐ忙しくなってクローゼットに押し込んだままだったの。いつか会えたら持って行こうってそれだけ覚えてたから持ってきたんだ。」
そう言いながら、ナイロン製のグローブを身につけだした。指先までナイロンで包まれるこの代物は、魅力的だった。これで彼女の下地が完璧になる。
「僕のやつも見て。これやで。」
「ああ、この前写真撮ってくれていたやつ?…うわあああ…これすごい光沢、すごくない?」
「この前見せたやん、あんな感じ」
僕は一足先にナイロンドールになった自分の写真を送っていた。つるっとぬるっと、その包まれ心地は最高だった。
「今日は私何もできなくなるかも…」
「何もできなくなってええやん。僕にドールになるんやから…。」
彼女は言う。
「あのさ、スカート脱いでいい?」
「もちろん!」
「もうさ、我慢できなくって…。今日ずっと我慢してたの。」
彼女はスカートを下ろして僕にお尻を突き出す。
「ねえ、触って…?」
目の前に黒いストッキングのお尻が現れる。僕はお尻に吸い付き、思いっきり深呼吸をする。
ああ、この匂い…4か月ぶりのこの匂い。記憶が蘇ってくる。
僕はこの自粛期間中、彼女から預かっていたタイツとレオタードでペニスが無くなるんじゃないかという程自慰に耽った。
この独特の香りと甘さ、僕は一気に勃起した。