その夏の特別な日⑥
朝はゆっくりでも良かったのに落ち着かずに目が覚める。
時計は朝の5:30、窓を開け、ゆっくり深呼吸する。
関東はずっと雨続きだったけれど、今日に限っては日が差している。
両親に説明し、約束よりも30分ほど早く出られるとメッセージを入れる。
彼は無事に到着していたようで、安堵した。
よく考えれば2人でお泊りできるだなんて本当に夢のようである。
彼が停めている駐車場まで行き、ハザードをつける。
「久しぶりー、お疲れ様ー!!」
「おー久しぶり!!」
彼のオーバーリアクションは気恥ずかしかった。
「恥ずかしいから…早く車に荷物載せて」
「はーい!」
エンジンをかけ、彼を助手席に乗せて、車を走らせた。
いつも私は彼の助手席だったけれど、今日は今日だけは逆のパターン。
これから私は出張の案件を済まさなければならなかったけれども、そんなことが実に些細に思えるほど、私の心は踊っていた。
これから2時間のドライブが始まる。
「それじゃあ、出発しまーす!」
「OK~!よろしくお願いしまーす!」