fetish hole

18禁の内容です。フェチズムやSMに関するものと心の内面にフォーカスした内容が多いです。

セフレ。

盛大に受験を失敗した私は、行きたくもない大学へ4年間通った。大学の何に興味を持てばいいのか分からなかった。

 

今思えば、高校3年生の時にフラれてしまった後遺症だ。バカみたいな話。

 

学籍番号の近い人達と仲良くなり、その子達は格別美人さんだった。当然、共通科目で合同の授業では、私のいたグループは注目されていた。

 

そのうち、他学科のオシャレなイケメン集団から声がかかるようになり、私達は自然な流れでよく遊ぶようになっていった。最近のファッション、音楽、スポーツ観戦、ダンスの話をし、よくご飯を食べに行ったし、お出かけもした。

仲良くなる先輩達も、皆イケメンさんや美人&かわいい人ばかり。

側から見たらリア充そのものでしかない。

 

でも、私はすごくすごく居心地が悪かった。

自分の考えを吐く場所がなくて、浅い話をひたすら盛り上げていた。

周りからよく声をかけられていたけれど、誰にも頼れなかった。地元を離れ、垢抜けた人達は沢山いたけれども、当時の彼を超える人はいなかった。

当時の彼は、クラスでも静かな存在、目立つタイプではないけれど、真面目で変態だった。それがすごくツボだった。どこまでも貪欲なのに、周りには一切気付かれていなかった。

 

私は暇な時間を見つけては、ネットでツボが合う人と出会ってみた。

SEXするだけ、少しアブノーマルなことに興味がある人で…って。

 

「セフレ」は、SEXするだけのつもりでいた。

性欲がお互い燃え上がる時に、サクッとできる関係。

感情を介さないSEX。

 

そんなセフレは、セフレではなかった。

セフレは私が体調を崩した時には、一緒にいてくれ、気持ちが沈んだ時には瀬戸内の海のドライブへ連れて行ってくれた。

セフレが落ち込んでる時は、私の家でご飯を食べ、ゲームして、一緒にお風呂に入った。

セフレだけれど、ある限られた時間、身体も心も愛し合った。

 

セフレのうちの1人は、その後彼氏になった。

もう1人の彼氏は、就職で離れてしまった。

 

 

それから10年経った。

 

彼氏になったセフレは、異動願いを出し、関東へ。バツイチになったと連絡が来た。

 

就職で離れてしまったセフレは、一昨年たまたまLINEで繋がった。関東出張のタイミングで会え、一緒にご飯を食べた。

私のどうでもいい話をにこやかに聞いてくれ、頭を撫で、キスしてくれた。

好きだよ、って。

だから私も好きだよ、って返した。

 

俗にいうセフレは、私の中ではセフレではないのかもしれない。

どこか吐露できない自分を曝け出して、補完しあえる関係なのかもしれない。

 

相手はどう思っているのかは知らないけれど。

 

でも、限られた時間で愛し合う関係性になるのであれば、それでまた会いたいなぁって自分が思うのならば、それは好きなんだろうね。