fetish hole

18禁の内容です。フェチズムやSMに関するものと心の内面にフォーカスした内容が多いです。

距離

自分の人生の期待値なんて知れている。

恋なんて望んでいないし、美しい恋愛なんて自分には合致しない。

欲の吐き出しに、お互いそういう気持ちなんでしょう?…分かった上で会う。

感情のゲージはカラカラの砂漠で、性欲だけは溢れ返る。溢れそうだからとにかく処置を施す感じ。お互い、溢れる性欲を受け止めるだけのために。

 

お手軽に、文脈上お手軽に会えそうな人とならそれでいい。あの時もそう。

 

メッセージがきて、たまたま私とのタイミングがよくて、それで会うことに。

その人の背景なんてどうでもよくて、欲を出せる相手ならそれで十二分に満足。

 

それなりに身支度を整え、夜の西条まで車を走らせ、その人に会う。

写真の交換すらせず。

 

目的が明確だからすぐにホテルへ行く。

 

ホテルへ入る。

一気に距離が縮まる。

私の心の扉を、オートロックの部分までスイスイ侵入してくる。

心が持っていかれる。

フワッと持っていかれる。

私の意識は横へ置いたまま、彼の意のままに、私は反応する。

 

いたぶられ、嬲られ、それをする姿がとても魅力的だった。

カッコ良かった。

あの不敵な笑顔を見て、私は堕ちた。

 

大学生活で散々男性を見てきて、中身がないと辟易していたのに、絶望しかしていなかったのに、彼は強烈な魅力を放っていた。

 

当たり前だけども、彼は女をモノにしか見ていなかった。

強烈に惹かれた訳は

…彼は母性に飢えていた。

母から貰うはずの愛は、ある時途絶え、違う母親役割を担う人からは虐待を受けていた。

歪な母子関係。

その苦悩から構築された性癖が狂おしいほど魅力的だった。

 

彼は言う。

今頃になって言う。

歪な鍵の形を持っている自分にfitするのは私だけだって。

 

そんな台詞を他でも吐いているかも知れないけれど、そうやって表現できるのが私の心を刺激するんだ。

 

だって、皆心を奪おうとしないんだもん。