僕の変身願望①~もどかしい気持ち~
ひと晩経つと、顎のあたりにうっすらと…そして毎朝、僕は女性のメイクの時間をそれに充てる。
変に剃り残しがあると、それは汚らしいし、憧れのあの人になんて思われるか分からない。
もともと僕はそんなにワイルドな感じでもなければ、かわいらしい顔と言われている。だから入念にチェックをし、髪形をセットし、会社へ行く。
僕には全然関係がないのに、僕は女性のメイクやファッションを見てしまう。
電車の中で、オフィスで…。僕もいつかああなりたいなって思いながら見ている。
どうやったらあんな風にプルンとした唇になるのだろう…?
あのパンストの色とスカートの合わせ方、素敵だな。
車内でメイクをする女…僕はあいつよりきっと元は良いはず。
なのにあいつは女で化粧を堂々とする権利を持っている…それはなんかとても理不尽な感がする。
僕は最近、新たに1つのアカウントを作った。そう、所謂「裏垢」というもの。
僕は自分の願望を叶えている人をフォローして、その人の世界観に浸ろうと思った。
その世界はとてもdeepな世界だった。
この性癖?みたいなものをもろともせず、顔は出すし、至る所へお出かけしている…ああ、僕にはそんな鋼のメンタルはないよ。
でも羨ましかった…そんな風にできていいなあって思った。
その世界の人は口々に言う「一度きりの人生だから」。
そうかもしれない、僕ときたら、毎日女性を見て羨ましがっているだけ…それだけ。
僕ももっと可愛らしいと言われたい!!
男性としてではなく、男の子として…できれば女の子のような男の子として(女の子というのは自分ではなんだかおこがましい気がする…)
deepな世界は色々だ。
mohairを纏って女装する人
ハイヒールとストッキング姿で脚を出す人
おっぱいを入れて女性キャラのコスをする人…
あーなんて奥が深いんだ。
入るスキすらない気がする…
いっそのこと、女の子も男の子も、そんなのもひっくるめた何かになりたい。
とにかく、違う何かになりたい。