fetish hole

18禁の内容です。フェチズムやSMに関するものと心の内面にフォーカスした内容が多いです。

ボーダーライン。

つまりそれは、これまで聞いていたあの話かと思った。スタイリッシュなケースに、ザクザクと出てくるアイテムの数々…。


いつかこれを自由に使うために、若い頃からせっせとお金を貯めてきたコレクションを見た時、それはおもちゃ箱のようなワクワク感と、強烈なまでの欲望が垣間見え、背筋がゾクゾクした。

そのアイテムがショップのように置かれる一連の所作は、そのアイテムをいかに愛でていたのかがよく分かる。


アイテムというべきか、宝物というべきか、その人の好きな物を見ている感覚。
もちろん、私もそういう物が好きであるため、犬の「待て」を自分で言い聞かせ、高まる欲望を抑えつけ、冷静さを装う。

…理性的な自分を欠いた部分を出すにはまだ早い。でも、相手の好きを見ていると、私の中では次第に心臓の鼓動が高まり、口より先に、アソコから先に反応していくのが分かる。

これから自分がその相手が愛してやまない物を身につけて、私は彼の好きな物と一体化していくのだと思うと、淫靡な私が少しずつ顔を出してくる。

首輪も手枷も足枷も無いのに、まるで自分が相手に繋がれているような気持ちになる。


ただ、大体の場合において、その淫靡さは相手も把握している所存なので、自分はあれこれ考える必要もなくなるのである。

顔を、身体を、彼の好きな物で覆い尽くされ、私は彼の好きなモノへと変わってゆく。2人が欲を吐き出せる特別な空間では、完全に先程まで視線とは異なる様子を見せる。

 

何と形容すれば良いのか。

目が漆黒になるといえば良いのが一つの表現だろうか…。とにかく先程までの明るく紳士的な様子とは全く異なるのである。

そしてまた、私は目線を恥ずかしくて合わせられないのだが、そっと触れられるうちに視線を、その強烈な真っ黒な視線を欲したくなる。

 

ああその目…私は視線をもって堕ちてゆける。その底辺が何処までなのか知る由もなく、相手の欲望、自分の欲望の中をゆっくりと沈むように、深水(心酔)する。

 

言葉は最小限…でも自分が相手の欲望に侵食されていく感覚となり、私は全身が反応し、緩やかに融合していく。